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副作用マッピングは、分子標的治療薬の副作用情報を直観的・俯瞰的に把握できるように、副作用を可視化することを目的の一つとしています。

医薬品分野ではありませんが,経済産業省では,製品事故のリスク評価にリスクマップによる分析を用いています。これは「危害の程度」と「発生頻度」を数値化し,2次元のマトリックスの領域に表示することによりリスクの見える化した手法です。この手法を参考に,副作用情報のマッピングを行っております。

本サイトでは,副作用マッピングの情報を随時更新/ブラッシュアップしていくとともに、その他として抗悪性腫瘍薬に関する医薬品情報トピックもコンテンツとして追加掲載してまいります。

日々がん医療に真摯に取り組まれている関係各位の薬剤師の先生方にぜひお役立ていただければ幸いです。




〇 副作用マッピングの見方

個々の薬剤について,横軸に「発現頻度」,縦軸に「Grade3以上の割合」を設定し,副作用情報をプロットしています。
「発現頻度」を線形目盛に設定したプロットと対数目盛に設定したプロットの二通りを作成しています。
発現頻度が高い副作用は右側に、重症度が高い副作用は上側にプロットされます。
例として、レンバチニブメシル酸塩(甲状腺がん)の副作用マッピングの見方を示します。「発現頻度と重症度が共に高い副作用」として、高血圧(67.8%, 0.62)があげられます。また、「発現頻度は高いが、重症度は低い副作用」として、下痢(60.9%, 0.14)、食欲減退(51.7%, 0.13)があげられます。さらに「発現頻度は低いが重症度が高い副作用」として、頭蓋内腫瘍出血、アミラーゼ増加、肺炎等があげられます。

Fig. レンバチニブメシル酸塩 (甲状腺癌)の副作用マッピング



〇 副作用マッピングのデータ記載範囲

原則、MedDRAの階層構造における基本語(PT:Preferred Term)に準じた副作用項目をプロットしています。
「全Gradeの発現頻度が1%以上のもの」または「Grade 3以上の発現例数が1例以上のもの」を満たす副作用項目のみを抜粋し、「Grade 3以上の割合(Grade 3以上の発現例数を全Gradeの発現例数で除したもの)」を算出しています。なお、Grade5(死亡)の副作用項目は発現例数が1例であっても表示しています。


〇 副作用マッピング利用時の注意事項

人種、対象疾患、抗悪性腫瘍薬の用量・用法、併用療法の有無、試験デザイン等により、副作用の発現状況は異なります。(詳細は備考に記載されている情報源をご覧ください)
薬剤に特徴的な副作用であってもラベルが付けられていない場合があります。副作用マッピングの情報のみに限定せず、医薬品添付文書を参照してください。



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